どうも!やまびこです♪😊🍀
最近、毎週のように「洋上風力発電」に関する新しいニュースが飛び交っています。
僕自身も「洋上風力発電」には興味があり、先日の記事では「洋上風力発電」がなぜ注目されるのかについて書きました。
詳しくは、以前書いた記事を読んでみてください♪
yamabiko-a4.hatenablog.com
しかし、また別の視点で風力発電について書きたくなったので、今回の記事を投稿することにしました♪
タイトルは、「洋上風力発電」での大規模発電を実現する上で必要になる4つの視点です♪😆✨
(出典:https://minkara.carview.co.jp/userid/1830002/blog/39734402/)
1.【視点1】技術的側面から見る「洋上風力発電」
このブログではあまり伝える機会がなかったのですが、僕は普段、電力流通関係の仕事に携わっています。残念ながら、風力発電そのものには関わっていませんが、その周辺技術に関しては多少の知識があります。
その技術者としての視点から「洋上風力発電」を見た場合、メリットとしてあげられるのは、「風車を配置する土地が海上である」という点です。
風車を海上に配置するため、風車を設置する土地の確保が不要となり、風車のプロペラから発生する騒音の影響も最小限にすることができます。
しかし、「洋上風力発電」には技術的な課題も多くあると思われます。
僕が技術者として感じた「洋上風力発電」の課題は、以下の2点です。😉🍀
a)部品点数が多い
機械全般において、「部品点数が多い」というのは「故障リスクの増大」と「低コスト化の妨げ」になるマイナス要素です。僕の会社の同期の山本勇成くんは製品開発部門で働いているのですが、部品点数が多い現在の製品では大量生産を行っても低コスト化が限界であると判断し、部品点数を徹底的に減らすことで低コスト化をしていました。
「洋上風力発電」は、部品点数が多い発電設備です。
そのため、故障リスクが大きく、低コスト化を行うためには部品点数を減らし、大量生産を行う以外にないのではないかと思われます。
(出典:https://www.ntn.co.jp/japan/corporate/digest/business01.html)
b)塩害の影響をうける
設備を洋上に置く「洋上風力発電」は、塩害のリスクが常に発生します。
一言で言えば、鉄がすぐに錆びるのです。
当然、鉄が錆びるのであれば、錆に対抗できる「耐塩塗装(重防食塗装)」を使用したり、錆に強いステンレスを使用することになります。しかし、この2つはどちらもとてつもなく高価なのです!
これは、「耐塩塗装」を施した街灯と、通常塗装の街灯で比較すると、経験上「耐塩塗装」の街灯の方が数万円単位で高額になると思われます。
また、通常の鋼板とステンレスの鋼板を比較すると、ステンレスの方が圧倒的に高く、同じ街灯1本で比較すると、おそらく数万~十数万の単位でステンレス製の街灯の方が高くなると思われます。
街灯1本で数万~十数万の価格の差が発生するのですから、潮風がない「内陸の風力発電」の風車と「洋上風力発電」の風車とで、どれだけの価格差が発生するのかは想像もつきません。
経産省のHPにアップされている「風力発電施設を空から見てみよう!」という動画に出てくる茨城県の「波崎ウインドファーム」という海岸沿いの風力発電所では、風車のタワー部の接合面で錆が発生しており、塗装の一部が剥がれているのが見て取れます。
個人的にこれは「設計者の想像以上に、潮風の影響が強かった」のではないかと思います。何よりも塗装が施されている金属は、日中は太陽光で温められて金属が膨張し、夜は冷やされ金属が収縮するのです。それを毎日繰り返しながら潮風に耐える塗装というのは、そうたやすいものではないと思います。
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さらに、この錆を発生させる塩害が、潮風という大気中の塩分によって起きることも問題です。風車の外装は塗装で守ることができますが、風車の内部の機器は、また別の方法で守る必要があると思われます。風車内に潮風が入り、それが原因で風車内の機器に錆が発生した場合、それが風車故障の原因となっていまします。そのため、塩害に強い空調設備の設置なども必須になると思われます。
そして、そういった潮風に強い空調設備では、フィルターを使って潮風の塩分を除去するのですが、そのフィルターも一定期間での交換が必要になります。空調設備のフィルターの交換という面でも、さらに費用がかかることが予測されます。
2.【視点2】「洋上風力発電」を普及させる上で必要となるインフラ
「洋上風力発電」を普及させる場合、「洋上風力発電」を継続して運用していくためのインフラ構築も必要だと思われます。
このインフラの大切さは、友人の経営者である向山雄治さんからお聞きしたことがあります。向山さんは、セレクトショップや貸会議室を運用する株式会社RNSという会社の創業者で、非常に経験が豊富な経営者です。その向山さんが、「ビジネスにおいてインフラを構築することは、成功し続ける上で絶対に必要なもの」だと話されています。
それほどまでに、インフラ構築は大切なのです!
では、「洋上風力発電」を運用するためのインフラとはどんなものでしょうか?
僕が必要だと考えるインフラは、「設計」、「製造」、「工事」、「運用・メンテナンス」の4つだと思っています。この4つを行う企業が連携することによって、風力発電の事業化を進めることができます。😆🌈
(出典:https://www.nedo.go.jp/content/100079735.pdf)
a)「設計」
ここで言う「設計」とは、風力発電所全体の設計やその後の運用を考えたグランドデザインの設計を指します。この風力発電所のグランドデザインを描ける会社がトップとなり、風力発電所に必要な設備の製造メーカーへ風力発電設備の製造を依頼します。
b)「製造」
「設計」を行う会社が、グランドデザインにそって風力発電所の設備の製造をメーカーへ依頼します。メーカーは、グランドデザインに沿った設備の提供を求められます。
c)「工事」
「製造」を行った会社の設備を風力発電所まで運搬し、設置します。風力発電の設備は非常に大きいものが多いため、海上輸送の後、現地への運搬を道路を使って輸送する必要があります。巨大な設備を運搬する場合、警察等への届け出が必要になります。
また、設備の設置にも大きな時間がかかるものがあり、職人芸に近い高度な技術が求められる工程もあります。
d)「運用・メンテナンス」
風力発電所が完成した後は、実際に発電所を運用して、電力の供給を行うこととなります。風力発電所は風の状態によって発電量が変化するため、安定した電力供給は難しいのですが、それでも設備の点検やメンテナンスを行うことで可能な限り安定供給ができるように努める必要があります。
また、風力発電設備の耐用年数は20年と言われていますが、実際に20年で交換することはありません。実際には30年程度、長ければ40年は設備内の部品の交換・整備を繰り返すことで設備を使用すると思われます。
この「設計」から「運用・メンテナンス」という流れは、どんな種類の発電所でも共通の流れで、日本では何十年もの間同じ流れで発電所を作ってきています。そのため、風力発電所を作るインフラは完璧に構築されていると思ってよいでしょう。
詳しくは、「東光電気工事」がYou Tubeにアップしている以下の動画を見ると分かるかと思います♪
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3.【視点3】「洋上風力発電」全体での低コスト化が課題
「洋上風力発電」の最大のポイントは、低コスト化をどれだけ行うかという点にあると思います。現在、日本では「再生エネルギー 固定価格買取制度」という制度により、電力会社が一定価格で再生エネルギーで発電された電気を買い取るという仕組みがあります。そのため、発電コストが高い再生エネルギーの発電所が増えれば増えるほど、電力会社は高い価格で電気を買うことになります。その結果は、国民の電気料金の値上げという形で返ってきます。
こういった事情から、政府は風力発電での発電コストを火力発電並みに下げることを目標に掲げています。
4.【視点4】投資案件としてみる「洋上風力発電」
1~3までは技術的視点で「洋上風力発電」をみてきましたが、ここからは投資案件として「洋上風力発電」を見てみます。
個人的な見解ですが、「洋上風力発電」は非常に良い投資案件だと感じられます。
なぜならば、「洋上風力発電」は経済産業省が推進している巨大プロジェクトであり、二酸化炭素の排出がない再生エネルギーとして世界的にも注目されている技術だからです。
その注目度は非常に高く、日々のニュースでもよく話題になっています。また、ここまで見てきた通り、「洋上風力発電」での大規模発電を実現するためには「巨額の投資」が必要不可欠になると思われます。
つまり、それだけ多くの資本が動くのです!
技術的な課題があるからこそ、それを克服するために投資が行われ、インフラを構築するためにさらなる投資なされることが見込まれると思います。
(出典:https://windpower.co.jp/kashima/)
5.さいごに
ここまで書いてきたように「洋上風力発電」は技術的に課題はあれど、風力発電所を供給し運用していくインフラが整っている日本では、普及は難しい問題ではないと考えられます。しかし、発電コストの低減にはまだまだ課題があり、「洋上風力発電」というだけで発生するコストもあることから、地道な努力による低コスト化を行う必要があると思われます。
しかし、だからこそ、巨額の投資が行われ、それに伴って「洋上風力発電」の技術は発展していくと思われます。
😄✨🌈
【参考文献】
みんなの株式
minkabu.jp
経済産業省
www.enecho.meti.go.jp
経済産業省 資源エネルギー庁
www.enecho.meti.go.jp
NEDO 風力発電導入ガイドブック (2008年2月改訂版第9版)
https://www.nedo.go.jp/content/100079735.pdf